統合失調症 障害基礎年金2級:年額¥779,300、遡及額¥4,158,162
新潟市・30代・男性
1.相談に来られた状況
一年ほど前に、ご自身で申請したところ、納付要件が3分の2要件を満たさない為不支給となってしまわれました。
2度の不服申し立て(審査請求、再審査請求)を行いましたが、すべて初診日納付要件の不該当で却下の決定だったそうです。
現在は、自営業を営む父親のお手伝いをされているそうです。
お話を聞いていると、一度、大学生時代の20歳前に、脳神経科を受診され強迫性障害と言われたことがあることを思い出されました。
そこを初診として申請ができないかとご相談にいらっしゃいました。
統合失調症の幻覚、幻聴などの陽性症状が出ると、日常生活は制限されてしまいます。
現在は、父親の見守り、配慮のもと父が営む仕事を手伝っていらっしゃるとのことです。
2.経過
2回目の障害年金申請は非常に難しいものです。
2回目の申請で法令要件をすべて満たすことを証明することと、不支給になった前回の内容が間違いであった、もしくは前回以上に、確からしい内容を持って証明することが必要だからです。
2回目の申請をするにあたり、問題点が二つありました。
一つ目は前回申請の初診日が間違いであり、10年以上前の学生時代の受診(正しい初診日)を証明する必要があること。
初診日を20歳前に受診した医院で証明すること。
二つ目は、障害認定日にあたる日の傷病名がICD-10コード F4神経症とされる強迫性障害で診断を受けていたことです。
原則として、神経症は障害年金の対象外とされています。
まずはこの神経症が、一度不支給決定となった申請書類の確認を行いました。
障害の状態が悪いことは一目瞭然で、ヒアリング結果とも整合性が取れており、当センターとして障害認定基準を満たしていると判断しました。
19歳の時に受診された脳神経科へ、受診状況等証明書の作成依頼を致しました。
初診日からすでに10年経過していたため、カルテは廃棄されていました。
しかしその他の医療情報の開示請求行いMRI画像(医院名、本人名、患者ID,日付け、時間の記載あり)を取得することができました。
これも、当センターが事前にヒアリングした内容と整合性が取れました。
しかし、それだけでは初診日証明は弱いと考え、当時を知るご友人3名の協力を得て「初診日に関する第三者の申立書」を記載して頂きました。
初診日証明資料を作成することができましたので、次は強迫性障害(神経症)での診断書を依頼することになりました。
神経症は障害年金の対象外とされていますが、しかしその傷病で意欲・行動に障害がでて日常生活に著しい制限を受けていました。
当センターが行ったヒアリング内容に、「アパートの部屋を出ても、部屋を出たかどうか不安になり、何回も何回も出たり入ったりを繰り返していた。学校とアルバイト遅刻を繰り返していた。」という内容があり、「強迫性障害」と診断されているが、統合失調症の臨床症状に近い状態があったと判断しました。
そこで、証明資料収集を行うことにしました。
ある保険者、医療機関、関係官庁から情報開示をすべて行い精査しました。
なんと、再審査請求時に、保険者が医療機関に独自に調査回答書を送り、医療機関が回答した資料を見つけることができました。
「強迫性障害と統合失調症との因果関係について記載のある書類がありました。
そこでは強迫性障害と統合失調症は一連の疾病とみる」記載されていたため、その資料を基に神経症ではあるが、当時の強迫性障害(神経症)は、現在の統合失調症と同一疾病であると証明資料として、診断書作成を依頼しました。
しかし、当時の医師は、神経症は年金もらえないから書かないの一点張りで一旦頓挫してしまいました。
しかし、当センターから、医師に年金法の立法趣旨、厚労省から取得した各種資料、ヒアリング記録などを説明したところ、すぐに理解・納得していただくき即診断書作成をしていただくことができました。
現症の診断書依頼中にも、体調を崩され入退院をされました。必要書類を取得し申請に至りました。
3.結果
障害基礎年金 障害認定日請求(遡及請求)で支給が認められ2級
年額 ¥779,300、遡及額¥4,158,162
受給ができました。
4.社労士 齋藤の視点
初診日証明については、カルテの保存期間が5年間ですから証明できずに不支給となる方がたくさんいらっしゃいます。
しかし、制度上の瑕疵がある中でもあきらめないことです。
今回のケースで、一年近く情報開示や証明資料作成に時間を費やしましたが最高の結果を得ることができました。
一年間あきらめずに頑張ってくれたセンター担当者、真摯に患者と向き合い、私たちの話をお聞きいただいた医師、コメディカルの方々に心から感謝いたします。
また、私達 社会保険労務士だけが、年金法のプロです。
そして依頼者のために最後まで仕事をすることができる専門家であることを痛感いたしました。
社会保険労務士は、障害年金の申請に関して、「真正の内容」で申請手続きしなければなりません。
障害年金に関する年金法、諸通達、障害認定基準などは、一般の方々はもちろん、ケースワーカー、医師、医療機関の方々を含めて熟知し、専門家として相談、回答、指導できるのも私達だけであることも間違いありません。
明らかに相談者の方々の障害状態、厚労省の定める認定基準と認定基準障害のスケール、診断書内容に整合性がなければ、再確認を行い正しい障害状態を表した内容で申請行わなければならないと考えています。
「医者が書いたものだから、絶対だ。」、「間違っていても、怖いから医者には言えない」、「5分診療だから、何も言うことができない。」気持ちもわかります。
しかし自分自身、自身のお子様の人生に大きな影響があるものです。
どんなに、言いづらくても、正しいこと、真実の事を伝えなくては、正しい結果を得ることはできません。
障害年金は、年金法に定める「障害者の権利です。」しかし権利を行使するためには努力も必要です。
なぜなら、医師も人間です。万能ではありません。やぶ医者もいれば、優秀な医師もいます。
そして、一つ言えるのは、頭の良い、優秀な医師ほど、他の専門家の意見を聞いてくれるものです。
なぜかというと、頭の良い人ほど、「自分は無知である」ことを理解しているからだと思います。
いずれにしても「医師に障害状態をきちんと正確に伝える努力」を怠ってはいけません。
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