自閉スペクトラム症、多動症候群、うつ病 障害基礎年金2級:年額¥795,000
1.相談に来られた状況
小学校6年生の頃から、朝は体調不良で起きられず、次第に不登校になりました。中学に進学しましたが、新しい環境になじめませんでした。高校入学後に抑うつ状態となり、不眠、やがては幻覚を見るほど状態が悪化してきました。
抑うつ感が強く希死念慮もあるため、ご家族の見守りや援助は欠かせません。
将来を危惧されたお母さまよりご相談いただきました。
2.経過
まずは、日常生活状態を聞き取りし、法令基準に照らし合わせて障害状態をまとめ、ドクターへ情報提供し、診断書を作成していただきました。
やがて出来上がった診断書は、内容は申立てに沿ったかたちで記載されていましたが、日常生活能力判定に差異がありました。
すべての項目が「助言や指導があればできる」にチェックが入っていましたが、ご本人は一人で外出はできず、電話を取ることも、かけることも困難です。非常時には家族以外には助けを呼べません。お母様に日常生活について再度聞き取りした上で、ドクターへご確認いただけるようにお願いをしました。
ご理解をいただき、真正な内容に診断書を再作成していただけました。その後必要な書類を整備し、申請をしました。
3.結果
障害基礎年金、事後重症請求で支給が認められ2級 年額¥795,000が受給ができました。
4.社労士齋藤の視点!
医師は医療の専門家です。医療者の考える「障害」と法令で定義された「障害」は異なります。
医療者=治療すべき「機能障害」を障害と捉えます、障害年金の障害=「機能障害」+「能力障害」+「社会的障害」(障害者基本法第2条)です。ですから診断書に記載された医師視点での障害を、法令基準に引き上げる事が必要となります。
医師が最初に作成した診断書では、「食事が出来る」=「母親が用意した食事を、箸を使って口に運び咀嚼し、嚥下し、消化する」となっていました。しかし、障害年金での「食事が出来る」は、自発的に栄養バランスを考えメニューを決め、準備、調理、配膳、飲食した後片付け迄の一連の流れ(計画、準備、遂行までの一連の遂行)が行える事を「出来る」としています。
障害年金は、申請者に証明責任(法令要件を満たしている事を証明する)があります。医師任せ、役所任せではなく、自身の責任で申請を行わなければならないのです。
もちろんすべての人が法令知識を持っているわけではありません、障害年金の必要性が高い場合は障害年金の専門家に助けを依頼する事をお勧めします。
関連記事
クイックタグから関連記事を探す
「ADHDうつ病発達障害精神疾患自閉症」の記事一覧
- 自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、うつ病 障害厚生年金3級:年額¥585,700(更新継続)
- 自閉スペクトラム症、知的障害、注意欠陥症、強迫性障害 障害基礎年金2級:年額¥780,900
- 反復性うつ病性障害、注意欠如多動性症 障害厚生年金2級:年額¥1,780,804(加算あり)(更新継続)
- 社会的コミュニケーション障害、注意欠如多動性障害 障害基礎年金2級:年額¥781,700
- 注意欠如・多動症、社会的コミュニケーション症 障害基礎年金2級:年額¥780,100
- 自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、うつ病 障害厚生年金3級:年額¥584,500
- 自閉症スペクトラム障害、注意欠如多動性障害 障害基礎年金2級:年額¥779,300 遡及額:¥1,819,566