協力:あおば社労士事務所、三条市労務管理協会

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情緒不安症パーソナリティ障害、気分変調症 障害基礎年金2級:年額¥1,004,600(加算含む)

1.相談に来られた状況

病気の母親と高齢祖母、小学生の子と暮らしていましたが、現在、状態に波があり就労はできない状態でした。経済的理由で、引っ越しをすることになり、転院を余儀なくされました。

病院に行くときは前日から準備し、身なりを整え、気合をいれてから受診に望まれていたそうです。帰宅途中、疲労感でふらふらになり、自宅につくとぐったりと横たわっていました。

パーソナリティ障害で、感情のコントロールができず、頼っている家族へ声を荒げることもありました。そんな自分に毎日落ち込まれたそうです。

すでに、障害年金の診断書は取得されておられましたが、障害状態が非常に軽く書かれており、「医師から神経症、人格障害は障害年金もらえないよ」と言われどうしたら良いのか分からず、お母様とお二人でご相談にいらっしゃいました。

2.経過

まずは、取得済みの診断書を確認させていただきました。

傷病名を確認すると認定日は「神経症」、現症日は「人格障害」になっていました。「障害認定基準」によると、原則、神経症・人格障害は認定の対象にならないとされています。年金機構は、審査運用において「神経症・人格障害」について門残払い的な対応で不支給としています。

私どもは、依頼者の病態、日常生活での詳細ヒアリングを実施し、ひどい「抑うつ状態」、「頻繁な希死念慮」などもあり国年法施行令別表障害等級2級には該当していると判断いたしました。そこでさらに、依頼者の治療歴、医証、お薬手帳などあらゆる資料を集め精査してゆきました。

その結果、「精神障害者保健福祉手帳」を取得する際の診断書に、従たる精神障害として、「気分変調症(F34.1)」の記載を見つける事が出来ました。ヒアリングした日常生活における「うつ状態」を資料としてまとめ、医師に情報提供し、再度診断書依頼を行いました。

3.結果

障害基礎年金 事後重症請求 2級を受給することができました。年額¥1,004,600(加算含む)

4.社労士齋藤の視点!

多くの医師が、「神経症、人格障害は、障害年金もらえないよ」と患者に言ってしまう事は致し方ないと思います。なぜならお医者さんは法令や年金制度については単なる素人でしかないわけですから。しかし、年金の専門家「社労士の方々」も同じことを相談者に言ってしまっている現状を憂いております。

年金機構は、法令でも政令でもない行政内部の通達である「障害認定基準」において「神経症」や「人格障害」は認定の対象とならないとして門前払いをしています。これをもって多くの社労士さんが「神経症」、「人格障害」を門前払いしてしまっている事はあまにも稚拙な対応、専門家とは言えない軽薄さを感じざるをません。

障害年金制度は、1964年から段階的に対象傷病の範囲を広げ、法令上は1966年にすべての傷病が障害年金の対象とされました。このことから、私たち社会保険労務士は、憲法、障害者権利条約、法令から導かれる本来の障害者年金制度の趣旨を理解し、相談者の委託に答えなければなりません。

障害年金は、病気や怪我によって、日常生活に大きな障害を抱え、稼得能力を喪失した方々へのセーフティネットです。あきらめないで相談してください。

 

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