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子供が発達障害で障害年金はもらえるのか? 子供が発達障害と診断されたら、知っておくべき障害年金受給の注意点

 

目次

  • 1.「発達障害」とは?
  • 2.「発達障害」は放置されてきた! 法整備と課題
  • 3.「発達障害」とは、「軽い」障害なのか?
  • 4.「発達障害」で障害年金を受給するためのポイント
  • 5. まとめ
 

1. 発達障害とは? 

発達障害の定義

発達障害者支援法において、「発達障害」は「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」(発達障害者支援法 第2条参照)と定義されています。

DSM-4(米精神医学会診断基準)では、「広汎性発達障害」と分類されていたものが、2014年改定版 DSM-5では、アスペルガー症候群、ADHD等の診断名は無くなってます。

それに対して、2019年6月にWHOが、国際疾病分類の第11回改訂版いわゆる、ICD-11を公表しました。厚労省のHP上で確認すると、ICD-10では、「広汎性発達障害」の下位分類に「アスペルガー症候群」、「否定型自閉症」などが記載されていました。今回の改定では、分類が見直され、「自閉スペクトラム症」の下位分類に「知的障害」などが配されています。

 

このように、いわゆる「発達障害」は名称、分類だけを見ても成熟した疾病分野ではありません。統計、分類、研究、医療等はまだまだ揺れ動く、研究途上の分野であると考えられます。

出典:発達障害情報・支援センター(国立障害者リハビリテーションセンター)

「発達障害」は、障害の程度、範囲などグラデーション様に広がっているものと言われています。特徴的な障害毎に分類してはいるが、同じ病名であっても各人毎に濃淡があり広範囲にわたるものです。つまりすべてが個別的かつ属人的特徴を持つものであると考えられます。

 

2. 「発達障害」は放置されてきた! ~法整備と課題~

障害年金の実務に照らし合わせると、「発達障害」は現在でも受給率の非常に低い疾病であることを日々感じています。そこには、日本社会における法整備と社会的慣習(障壁)が大きな要因となっています。

発達障害に関わる法整備
  • 2005年(平成17年)4月、「発達障害者支援法」施行。
  • 2011年(平成23年)8月、「障害者基本法」改正
  • 2011年(平成23年)、「障害認定基準」に「発達障害」
  • 2012年(平成24年)障害者総合支援法
  • 2013年(平成25年)「障害者の雇用の促進等に関する法律」、「差別解消法」
  • 2014年(平成26年)1月に,「障害者基本条約」批准、同年2月19日発効。

2005年に「発達障害者支援法」が整備されました。これは、教育、福祉、医療、社会保障の狭間に取り残されていた「発達障害」を定義し、社会福祉法制における位置付を行った法令です。あくまで、国、自治体、社会に要請するといった要望の内容であり、罰則もなく強制力もないものです。この後、2011年まで、厚生労働省は「発達障害」を「障害」と認識しながらも、認定基準を作成せず放置してきました。実態としても「発達障害」の障害年金申請に対して、認定要領がないことを理由に、門前払いのような取り扱いを続けてきました。

わずか10年前「発達障害」は福祉と社会保障と切り離された存在であったと言えます。現在は、法整備が行われたものの、強制力、罰則はほとんど無い状態に変わりはありません。例外的に「障害者雇用促進法」の障害者雇用率には、達成義務があり、障害者雇用納付金というペナルティがある数少ない法令となっています。

法整備だけでは不十分?

しかし、2018年「障害者雇用数水増し問題」で国、行政機関、都道府県等、法令順守を率先実施すべき機関で、障害者雇用の水増を継続して行っていたことが発覚。法整備が行われても、社会全体で「障害者とともに社会で共生する」のマーマライゼイション意識はまだまだ醸成されていません。

これは、「障害年金」においては殊に顕著といえます。障害年金の受給率は、知的障害、身体障害、精神障害で異なります。障害者数、858.7万人、受給者数207.5万人。障害年金の受給率は、平成30年で24.2%となっています。

ほぼ全員が受給している、老齢年金、遺族年金とは全く状況が異なります。(https://niigata-shogai.com/source)。

 さらに「発達障害」が属する精神障害での受給率は、平均受給率の約半分12.2%と低くほとんどの「発達障害」を持つ障害者が無年金となっている実態が確認できます。

 

3. 発達障害は「軽い」障害なのか?

1986年、基礎年金制度が創設された際には、先天性の障害を想定した無拠出性の障害磯年金が障害磯年金の対象とされた。

現在の障害年の認定は、厚労省所管「障害認定基準」によって行われている。3頁に「第2 障害認定に当たっての基本的事項」がある。その中で各等級における障害の程度についての基本が例示されている。

各等級における障害程度
等級                   障害の程度の基準
1級

身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものとする。この日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度とは、他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることができない程度のものである。

例えば、身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるものである。

2級

身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。この日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて

困難で、労働により収入を得ることができない程度のものである。

例えば、家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものである。 

 

一級では、「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度。」後段では「病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるものである。」と記述されています。このように、前提として、「身体的機能障害、能力障害」を「障害の程度」として捉え判断することとなっています。

発達障害は、障害が判りづらい

依然として、障害年金における認定実務は「身体的機能障害、能力障害」基準で考えられていることがわかります。

「重度身体障害」等のように、見た目だけで「障害状態」を認識できる傷病・障害は、受給率が高く、「精神疾患」のような目に見えづらい、かつ客観的な検査結果、エビデンスがない障害では受給率が低いことを見ても容易に理解できます。「発達障害」は見た目だけでは「機能障害」、「能力障害」などの「障害状態」を知ることが難しい。見た目は普通、身体的特徴もなく、関わりを持たなければ「障害状態」を知ることは難しい場合も多いため障害が見えにくいことは明確です。

 

しかし、だからといって「発達障害」が軽い障害であるとは言えません。なぜなら、実生活上で「発達障害」をもつ者は、社会性の欠如、他人とのコミュニケーション不全によって日常生活が上手く送れない状態となったり、会社から解雇され稼得能力を喪失したりすることが多々起こっていいます。多種多様なケースがある中で、シンプルに表現すると「人間社会は、人と人のコミュニケーションで成り立っている。」つまり、コミュニケーションが成り立たないと、社会生活、職業生活など有償、無償を問わない日常生活が成り立たない事が容易に理解できます。

 

4.「発達障害」で障害年金を受給するためのポイント

  • ポイント1 発達障害は、優秀な「専門医」を探す事が重要
  • ポイント2 発達障害は、「機能障害」、「能力障害」に+「社会的障害」が重要
「専門医」をおすすめする理由

「発達障害」は発展途上、原因、傷病分類、治療法などまだまだ変わっていく可能性があるものです。少し前までは親の教育が原因であるなど、心因要因ともいわれいました。現在は遺伝的要因と環境要因が相互に影響して脳機能障害が起きると考えられるようになってきました。いずれにしても、科学的な解明がされおらず、診察法、治療法も確立されていません。

 

厚労省でも「発達障害」を診察できる医師育成を進める過程にあります。現在私どもは、「発達障害 専門医」を勧めるようにしています。少なくとも、現在選びうる、最新の診療を受けられること、豊富な症例を持ち「発達障害」の病態像をよく理解している。この2点から「専門医」をお勧めしています。「発達障害」専門医は、機能障害だけでなく、「社会的障壁」も十分理解されている方が多いこともポイントです。

「社会的障害」を加味

そもそも障害年金(法令)でいう「障害」とは何でしょう?全ての通則法である、「障害者基本法」で下記の通り定められています。

【障害者基本法 第2条】

障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。

社会的障壁 障害がある者にとつて日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。

つまり、障害とは「心身の機能障害」+「社会的障壁(障害)」という定義をされています。

知的障害を伴わない発達障害の方の中には、一般の義務教育課程、高校、大学、一般企業へ就職される方も多数いらっしゃいます。社会に出て直面するのは、コミュニケーション不全、人間関係悪化、いじめ等から1年以内37.5%、5年で65.6%が離職。このように実社会で「社会的障壁」に直面している実態です。(出典:日本発達障害ネットワーク資料)

機能障害、能力障害だけに着目した「障害」だけでなく、実社会における「社会的障壁(障害)」を加味した「障害」状態を診断書に記載していく努力が必要です。

医師に「社会的障害」を理解してもらう

医師はそもそも、診療を専門とする職業です。法令や障害年金に通じているわけではありません。また医師は、一般労働市場を経験していない場合が多いといえます。つまり、一般労働市場での「障害」、職業生活上の障害など知らない場合が多いといえます。

つまり患者(患者家族)として、自らの「障害」を医師に伝える努力が重要となります。また、日常生活においては、常態的に家族の支援を受けて生活していることが多いでしょう。しかし、家族の支援を受けずに「単身」で生活した場合どうなるかを十分考えてみる必要があります。特に「仕上がり、完成度、クオリティ」について十分伝える必要があります。下記のケースの場合、多くの診断書に医師が、「出来る」として記載する傾向があります。しかし、実際には単身で家族の支援なく行われた場合の仕上がり、完成度、クオリティを考えて記載してもらう必要があります。そのためには、医師に理解してもらう事が一番重要なことになります。

患者の状況

診断書に記載されがちな表記例

認定基準で求められる

表記

毎日、一人で同じようなコンビニ弁当を買ってきて、食べる。

自身で食事ができる

貧しい食事内容。適切な食事ができない。

月に一回程度、四角い部屋を丸く掃除機をかける。

清潔保持はできている。

整理整頓は出来ず、掃除機をかけても埃がある。

→清潔保持は出来ていない

通院日に母が同行し、受診。薬は家族が毎食後渡して飲んでいる。

通院と服薬は出来ている

母が連れて行かなければ一人ではいかない、一人では飲み忘れる。

→通院、服薬はできない

母親が送り迎えして、大デイサービスに通所。レクリエーションで卓球をする。

他人との意思伝達および対人関係はある程度できる

慣れたデイサービス職員など限定的な人間以外とは会話できない。周りの合理的配慮が無ければ意思伝達できない

→できない

また、障害年金は、憲法25条(生存権)、障害者基本法(年金)、発達障害者支援法、障害者権利条約(生活水準、社会的保障)に定められた理念等を実施するために「国民年金法・厚生年金法」に障害年金制度を制定しています。この背景を理解し、この点も医師に伝えてゆく、理解してもらう必要があります。とにかく、あきらめずに行動してゆくことが一番大切な事であると思います。

5.まとめ

 
 

 

  • 優秀な「発達障害」の専門医をさがす。
  • 医師に「障害」を伝える努力。「完成度、仕上がり、クオリティ。」まで含めて医師に理解してもらう。
  • 「機能障害」だけでなく、「社会的障壁(障害)」まで診断書に記載してもらう。

「発達障害」は、障害年金では受給の難しい分野であることは間違いありません。しかし、あきらめる必要はありません。障害年金は、人生の選択肢を増やしてくれます。自身の特性を生かしながら、自身にあった働き方を選択し、社会で生きてゆくことの一助となるはずです。

そのためには、本人、ご家族様、支援者、お医者さんなど皆さんの協力を得ながら地道に行動してゆくことです。

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