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2024年11月5日 長岡聾学校 障害年金勉強会

2024年11月5日、長岡聾学校にて、障害年金勉強会の講演をさせていただきました。

 

長岡聾学校はもともと聾者のための学校として設立され、長い歴史を誇ります。

時代の変化とともに、現在在籍している生徒は聴覚に障害を持つ生徒だけではなく、

知的障害や発達障害を持つ生徒が多くなっています。

進路指導の先生方から「障害年金勉強会」を実施し、

生徒在校中から保護者様に対して準備するべきことを学んでほしい

とのことでご依頼をいただきました。

お話したこと

障害年金の基準の違いと準備の重要性

聴覚障害と知的・発達障害では障害年金の認定基準が異なります。

特に、聴覚障害の生徒の保護者は、

障害年金の認定基準を「聴力」、つまり「聴力検査の結果、数字」がすべて

と認識していることが多いです。

しかし、聴覚障害というものは様々な原因があり、複雑な臨床状態を呈します。

外耳、内耳、聴覚神経、脳神経と原因となる範囲領域は広く、

障害状態・症状は千差万別であることをお話しました。

 

 

日常生活における「制限」の重要性

聴覚の検査結果も基本となりますが、

これはあくまで厚生労働省の通達で定められた基準で目安に過ぎません。

実際には「日常生活でどれだけ困難があるか」が評価のポイントとなります。

法令で定められた「障害」は「日常生活における制限」であることをお話しました。

例えば、同じ聴力検査の結果であっても、

「障害」(=日常生活における制限)は人によって大きく異なります。

検査室では無音の中で聴力を測定しますが、

日常生活の会話では周囲の雑音や他の人の会話、犬の鳴き声が存在します。

このような環境下では会話の意味が取れなくなるケース。

一対一の会話では聴き取れるが、複数人が話す場合には全く聴き取れなくなるケースや、

素顔の相手との会話では口の動きで推測によって会話が成り立つが

マスクをした相手では意味が取れないケース等、様々なケースについてお話しました。

 

 

申請件数が少ない「聴覚障害の障害年金」

また聴覚障害に関する障害年金の申請件数は少ないのが実情です。

背景となる法令を理解せずに申請してしまうと、

不支給になったり、本来得られる等級よりも低く認定されてしまうこともあります。

だからこそ、保護者の方には「今」からの準備が大切です。

 

 

これからできること

「障害年金の準備」と聞くと大げさに感じるかもしれませんが、

まずできることは「日常生活で困ったことをこまめにメモすること」です。

そして、その情報を定期的に医師に伝えることが重要だとお話しました。

これが、将来に向けた一番の備えとなります。

 

 

勉強会後も、保護者の方々や教職員の皆様から熱心なご質問をいただき、

終了後も30分以上にわたり個別の相談を受け付けました。皆様の真剣な姿勢がとても印象的でした。

 

勉強会を開催する意義

障害年金は申請主義です。障害状態を証明し、申請しない限り受給することはできません。

障害年金の制度は複雑ですが、正しく理解すれば、お子さんの将来の支えになる大切な制度です。

今後も、こうした勉強会を通じて、

より多くのご家庭と学校現場に正しい情報をお届けしていきたいと思います。

昨年に続き、有意義なお時間を頂き、誠にありがとうございました。

 

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