ニュースレター Vol.8
受給事例紹介
【障害基礎年金2級の受給が決定し、78万円が入金された事例】
1.相談に来られた時の状況
脳腫瘍と、2回にわたるその摘出手術の末、左半身の麻痺に加え、聴力低下、視野狭窄、顔面麻痺が残ってしまったとのことでした。
お一人では外出することができない為、ご主人と一緒に来所されました。平地を歩く際にもご主人に掴まり、先導されながらゆっくりと移動されているような状況で、日常生活への支障は非常に大きいと感じました。
2.経過
初診の病院で受診状況等証明書を作成して頂いたところ、初診日以前の婦人科の受診歴が記載されていました。障害と因果関係が無いことは明らかでしたので、このまま申請を行うことも考えました。
しかし、この記載があることによって年金事務所の窓口受付の段階で指摘され、婦人科での証明書の作成を求められること、場合によっては受理してもらえないこと等が予測できましたので、あくまでも証明書作成医の判断のもと、関係ない記載については削除して頂き、提出を行いました。
3. 結果
障害基礎年金2級の受給が決定し、78万円が入金されました。
Q&A
Q.脳出血、脳梗塞を相次いで発症し、最終的に半身麻痺と、言語障害が残ってしまいました。主治医は、脳梗塞と脳出血に因果関係はないと言っています。このような場合、どのように申請すればよいのでしょうか。
A.申請の方法は二つ考えられます。
ポイントは、「今ある障害が、脳梗塞、脳出血のどちらから発生しているものか、明確に区別できるかどうか」という点です。
区別できるのであれば、二つの傷病それぞれについて初診日と障害状態の証明を行い、二つの傷病それぞれについて申請を行って、二つ合わせた障害状態が何級相当か、という審査を受ける方法が考えられます。
障害の原因となった傷病が明確に区別できない場合は、どちらかの傷病に絞って、一つの傷病から生じた障害として申請する方法が考えられます。
障害の原因が区別できるのかどうか、また、どちらの方法がメリットが大きいかを踏まえて申請のストーリーを決め、その裏付けとなるような証明を取っていくことが大切です。
豆知識
級落ちや支給停止に納得いかないからといって、「とりあえず」審査請求を行っても、審査結果は簡単には覆りません。
最近、こんなご相談をたくさん頂きます。
「今まで統合失調症で1級の障害基礎年金を貰っていたのに、診断書を出したら今後は2級だという通知がきました。納得いかないので審査請求をしたいのですが・・・」
「今まで心疾患で障害基礎年金2級を受給していたんだけど、診断書を出したらこれからは障害年金の支給をストップすると通知がきた!全然回復していないのに・・。審査請求ってどうすればいいの?」
級落ちや支給停止に納得いかないからといって、「とりあえず」審査請求を行っても、審査結果は簡単には覆りません。
このような場合には、まず「なぜ等級が変わったのか」原因を特定することが大切です。
障害状態が等級変更するまで軽快したのか?本当は軽快していないのに間違った診断書を提出してしまったのか?単純に審査官が間違えてしまったのか?原因によって取るべき対策も異なります。
原因を特定するには提出した診断書を見返す必要がありますので、診断書は提出する前に必ずコピーを取るようにして下さい。審査結果を覆すのは本当に大変です。
何よりも、医師から受け取った診断書は内容に不備がないかしっかり確認した上で提出しましょう。
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