ニュースレター Vol.7
受給事例紹介
【障害厚生年金3級の受給が決定し、58万円が入金された事例】
1.相談に来られた時の状況
約20年前から両足の股関節に痛みが生じはじめ、長い間市販薬等を使用しながら、痛みを我慢して生活されていたとのことでした。
約8年前から歩けない程に症状が悪化し、病院を受診したところ、すぐに「変形性股関節症」と診断されたそうです。その後も症状が悪化し続け、相談に来られた時は、両足の股関節に人工股関節を置換する手術を受けられた後でした。
障害状態は明らかでしたが、初診の病院でカルテが破棄されている為、初診日の証明ができず、何かいい方法はないかと当センターにご連絡頂きました。
2.経過
相談者のおっしゃるとおり、初診の病院でカルテは既に破棄されていました。
しかし、身体障害者手帳を申請した際、初診の病院で作成した診断書の写しが相談者の手元に残っており、そこに初診日が記入されていました。また、病院の医事課コンピューターに来院歴が残っていることが判明し、これらによって受診状況等証明書を作成してもらい、初診日を証明することができました。
審査の過程で、先天性のものではないか、10代のときに受診はなかったか等が疑われましたが、出生から数年おきの自覚症状、受診状況について明記したアンケートを提出し、申立てどおりの初診日が認められました。
3. 結果
障害厚生年金3級の受給が決定し、58万円が入金されました。
Q&A
Q.障害年金をもらうと、将来もらえる老齢年金の額が減ってしまうって本当ですか?
A.一部の障害を除き、障害年金は数年ごとに診断書の提出を求められ、障害が軽くなっていれば支給停止となります。支給停止にならなければ、一生障害年金を受給し続けることができますので、老齢年金について心配する必要はありません。
一方、障害年金の1級又は2級に該当すると、国民年金保険料の納付が法定免除されます。ですので、「ある期間1級又は2級の障害年金を受給していて、国民年金保険料を納めていない期間がある。
しかし途中で障害年金の支給が停止になったので、老齢年金を受給する」という場合には、国民年金保険料を納めていなかった分は、老齢年金から減額されます。
豆知識
障害年金判定に地域差
平成26年8月25日の新潟日報で大きく報じられた話題、「障害年金判定に地域差」です。“支給・不支給の判定結果に都道府県間でばらつきがあり、不支給の割合には最大約6倍の差がある”というデータが日本年金機構から開示されました。
審査にあたる医師に個人差があること(障害年金は、1件ごとに一人の認定医が審査しています)、年金機構の出先機関ごとの取扱の不統一が原因とされています。年金を受給する権利は本来どの地域でも平等に保障されなければなりませんので、こういった審査のばらつきは早急に改善してもらいたいと思います。
ただし現時点においては、こういう状況があるからこそ、どの審査官であっても同じ審査結果となるような、疑義の生じない、十分な内容の書類を作成して、提出することが非常に重要であると感じています。
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