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交通事故による後遺障害 障害共済年金2級:年額¥1,730,000

40代 女性 交通事故による後遺障害(第一腰椎破裂骨折~脊髄損傷)

1.相談に来られた状況

2年前に、帰宅途中の交通事故に巻き込まれたそうです。幸い命に別状はなかったものの、衝突した衝撃で背骨を骨折。その後、四肢の筋力が減少し日常生活に障害が残ったそうです。特に筋力の低下で歩行に大きな障害が残りました。筋力低下、疲れやすく、細かな足の運びはできず、緩慢な歩行しかできなくなってしまいました。その他では、直腸膀胱障害を伴い、便が自力では切れません。自然排便に30分以上かかります。肛門括約筋や尿道口が弱くなったため、自然に漏れてしまうこともありパットが手放せなくなりました。大きな機能障害、能力障害が残り、就労を続けることができず、日常生活においても著しい制限を感じられご相談にいらっしゃいました。

2.経過

納付の加入、要件に問題はなく証明することができました。

日常の障害状態の証明には、日常生活で困っていることを細かく聞き取りしました。医師には日常生活で困っていることなどを聞かれもしないし、伝えていないとのことでした。検査可能な筋力低下、可動域以外の障害状態はドクターに情報が無い状態では真正な診断書の作成が望めません。障害年金の診断書には、日常生活での障害状態、日常生活制限を障害者基本法や障害認定基準に定めるスケールで記載していただく必要があるからです。

長く歩き通すことが困難であること、距離を歩くときは杖なしでは困難であること、着替えにも倍の時間がかかること。段差のある敷居や階段の昇降においてもつまずきやすいこと、排便、排尿に時間を要すこと。ドクターが理解しやすいように法令と認定基準に沿った障害状態まとめて情報提供し、診断書作成依頼しました。後日出来上がった診断書は、1年6ヶ月経過前に「症状固定」と記載されておりました。必要書類を添付して障害厚生(共済)年金 障害認定日(本来)請求をしました。その後、日本年金機構審査より1年6月前の「症状固定」が認められず申請書類一式が返戻になってきました。

診断書の⑨現在までの治療の内容欄に「リハビリ続行」と記載があるためとの理由でした。しかし、リハビリ目的には種類があり、この方の場合は、機能維持のためのリハビリであり、治癒状態(症状固定)であることで間違いありませんでした。

年金機構の曲解により差し戻された形です。相談者の不利にならないように、直接証拠(診断書)の補強資料を作成することにしました。診断書を作成した医師あてに、症状固定とした理由について、リハビリ目的が機能維持であり、機能回復の為でないことを証明する証拠資料作成をいらしました。

リハビリにも種類があり、症状の改善の為におこなわれている場合もあればそれ以上悪くならない為に行われているものとさまざまです。出来上がった回答書には対症療法であり、機能維持のため、診断書記載の通り症状は固定していると記載がありました。再度、申請のため提出しました。

3.結果

障害厚生(共済)年金が認められ、障害認定日(本来)請求 2級 年額¥1,730,000 受給することができました。(加算含む)

4.ポイント

痛みやしびれだけでは、障害認定基準に該当しない可能性があります。

また肢体障害などでは、検査数字(筋力、可動域)だけでなく、具体的にどのような障害があるのかを証明する必要があります。

5.社労士 齋藤の視点

医師であっても患者の日常生活での障害すべてを理解しているわけではありません。また、ドクターによっては、筋力低下、可動域制限などの機能障害から、日常生活の障害を推認して診断書作成することを嫌がる方もいます。自身で、主治医へ日常生活にどのような制限があるかをきちんと具体的に明確に伝えなくては正しい診断書が作成できないのです。

また、厚生労働省(年金機構)は直接証拠である診断書内容を否定し、返戻しました。それも間接反証的な方法で診断書内の他の一文を拡大解釈しての行為です。本来であれば、診断書内容に疑義、不整合等があれば医療機関に照会すべきです。「症状固定」明記されているにもかかわらず、「リハビリ続行」記載があったため「症状固定ではない。」と確認せずに判断しまう危うい行為をしています。つまり確認作業を行わずに、返戻、不支給としてしまう手抜き審査が常態化している様に感じます。立法趣旨に沿った、丁寧な審査を希望します。このように一般社会では、当然確認してくれるはずという常識は厚生労働省(年金機構)には通用しません。厚生労働省の消えた年金問題~統計不正問題までここ数十年、不祥事続き、組織解体論まで出ている機能不全となっている官庁です。統計不正問題では、不正認定、第三者委員会でも虚偽体質が露呈し、自浄能力が無いことが印象付けられました。つまり、障害年金の審査機関である、担当省庁にたいして一般的常識や善意、信用などを期待することは難しいのです。申請者が100%クリアに証明できなければ、事実であっても、事実として取り扱われないと覚悟した方が賢明であると考えています。

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