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広汎性発達障害で障害厚生年金2級を受給したケース

1.相談に来られた状況

ご両親付き添いのもと来所されました。高校まで普通学校に通われ、専門学校で専門資格を取得されているとのことで、一見どこに障害をお持ちなのかわかりませんでした。しかしこれまでの経緯を伺うと、学校でも友人関係がうまく作れず、孤立したりいじめを受けていたそうです。社会にでてからも職場で同僚とコミュニケーンがうまく取れず、人間関係が築けなっかたそうです。

就職先でも同僚との関係がうまくいかず、お客さんのクレームなども多く解雇されるなど、仕事に就いても続けることができないということをお聞きしました。いわゆるコミュニケーション障害が、社会生活に大きな障害となっている事を確認しました。2次障害として「うつ病」も発症されていました。

初診日が10年以上前であることから、初診日が証明できるかという点、また、社会的な障害を正確に反映した診断書を作成してもらえるかという点がポイントになると感じました。

2.経過

◆最初の難関 

最も苦労したのは、初診日の証明と診断書の修正でした。

初診のN病院で受診状況等証明書の作成を依頼したところ、「(当院以前に)児童相談所やS病院への通院があったよう」との記載がありました。ご本人に伺うと、中学生の頃不登校だった時期があり、その際、病院主催の不登校児のグループワークに参加したことがあったそうです。もちろん、診察等はありませんでした。医師への相談、診察も行ってもないので、当然S病院は障害年金上の初診日とはなりません。従って「通院の事実はないので不要な記載は削除してほしい」と証明書作成医に依頼しました。

しかし「当院のカルテにそう書いてあるのだから絶対に消すわけにはいかない」との一点張りでした。「本人と家族が事実と違うと申立てテイル事。この事実と違う一文によって障害年金が不支給になる可能性が高い。」、と私共からも説明しました。しかし、この医師は「カルテに書いてある事は、間違いであっても絶対に書く。」という独自のルールをもとに最後まで修正には応じてくれませんでした。カルテの記載内容の真偽を確かめる努力もして下さいませんでした。

S病院にも問い合わせましたが、当時のカルテは残っておらず、通院していてもいなくても、どちらの証明もできないことがわかりました。

◆急展開 

約2ヵ月間、何か証明できるものがないかと探しましたが全く見つけられませんでした。それでも事実と違う証明書を提出するわけにはいかず、再度N病院に、「何をもってカルテの記載が事実だと判断されているのか確認したいので、カルテを開示して記載内容を見せてほしい」とカルテ開示請求を依頼しました。すると、なんと私が担当医師に話をした日の翌日に、保存期間が経過したので破棄しましたとのこと。詳しく話を聞くと、「病院のPC上に来院歴が残っており、受診日、氏名、受診科目だけしか情報がないとのこと。私は内心「やった」と叫びました。これで余計な情報を出す必要が無くなったからです。

さっそく病院にPC画面のハードコピーを依頼し、「受診状況等証明書が添付できない申立書」にN病院が初診日であることの補強資料として作成し、初診日の件は解決できました。

◆発達障害の診断書は難しい!

さらに問題なのは、診断書の内容です。広汎性発達障害の診断書は「精神疾患」用の診断書を使います。作成された診断書をみると、ご家族が感じている「障害」が全く記載されていませんでした。医師に修正依頼を出しました。

◆医師からすごい剣幕で電話が来きた!

医師:「診断書は、医師が決めるものだ。社労士だろうがなんだろうが医療の診断書に関与すべきものではない。」「どんな権限で私の書いた診断書を修正をしろと言っているんだ。」
社労士:「まず、今回お願いした診断書は、医療や治療の為の診断書ではありません。社会生活における障害状態を明らかにするための診断書です。」「患者が先生の診断書をみて、実際の障害状態が軽く書かれていて、納得されていない事をお伝えしたまでです。」
医師:「障害状態は、医者が決めることだ。患者がどう考えていているかなんて関係ない。」
社労士:「先生、IC(インフォームドコンセント)をご存知ですか。」
医師:「もちろん知っている。でもそんなものは、医師の考え方次第だ。患者に説明したってどうせわからない。しかもそれは、法律じゃないじゃないか。」
社労士:「ICの根拠となる法律は「医療法第1条の4第2項医師、・・・・は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るように努めなければならないと、きちんと法律でも定められています。」
医師:「・・・・・」
社労士:「いずれにせよ、実態と異なる、間違った内容の診断書を申請に使うことはできません。正しい内容に修正してください。」「それと、本人とご家族は先生が考えるほど馬鹿ではありません。先生がそのような傲慢な考え方をしている事を、私たちにすでに話されていましたよ。」
医師:「・・・。でも、大体の事は自分でできるじゃないか。直しようがないじゃないか。」
社労士:「障害には、機能障害、能力障害と社会的障害(社会的不利)があります。特にこの方は、コミュニケーション障害以外、機能障害、能力障害はほとんどありません。ただし社会生活において、コミュニケーション障害は致命的な障害となり得ます。なぜなら社会生活は人と人のコミュニケーションで成り立っているからです。実社会での危険回避や稼得能力は低く、日常生活に大きな制限がある事を備考欄に書いてください。」
医師:「わかりました。再度、受診していただき検討します。」2週間後、正しい内容の診断書が作成されてきました。

◆ようやく申請できる

2週間後、正しい内容の診断書が作成され私どもの手元に届きました。感謝!

3.結果

障害厚生年金2級、年額110万円の受給が決定しました。

4.社労士 齋藤の視点

どの障害でも、毎回悩むことは診断書です。
特に広汎性発達障害の相談が大幅に増えてきて本当に悩みます。発達障害は広範囲にわたる病相ですから一概に言えませんが、今回のような、精神遅滞がなく、普通学校卒業、社会人となって社会性の障害から社会的不利を被っていらっしゃるからの場合は診断書を正しい内容を診断書に書いてもらう事が難しいケースが多いです。
理由としては下記の3点です。

1. 医師が障害年金の知識がない。年金法を知らない為、間違った考えを持っている
2. 診断書の書き方を知らない。
3. 障害に対しての概念が理解できていない。

そもそも体系的に年金法を理解するのに、少なくても数百時間かかります。医師が理解していなくて当然です。ただし、分別のある社会人として話しをしない態度には毎回びっくりさせられます。医師は年金については素人です。医療のプロを主張され尊敬されたいのなら、相手に失礼のない態度、話し方のマナー、他の専門家を尊重するなど社会人として最低限のマナーを身に付けていただきたいと切に希望します。

障害年金の診断書の書き方を知らない医師に対しては怒りすら感じます。この診断書によって障害者の方の今後の人生が決定されると言ってものです。それなのに、「カルテに書いてある事は、間違いであっても絶対に書く。」「障害状態は、医師が決めるもの」などという傲慢な態度は許せません。今回の担当医師には十分反省していただきたいと考えています。社会医学的な診断書を社会保障の為に書いている、と十分に理解しお書き頂けることを切に望みます。

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