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反復性うつ病性障害 障害厚生年金2級:年額¥1,585,204(加算あり)

新潟市 40代 女性 反復性うつ病性障害

1.相談に来られた状況

まず旦那様より奥さんの件でお電話頂きました。

20年前よりうつ病を患われ、昨年より体調不良により勤務していた会社を欠勤することが多くなったそうです。

勤務先より自主退職を勧告され退職を余儀なくされたそうです。

病相期、悪い波が来ると、心身ともに辛く、全く身体が動かすことができなくなるそうです。

家事や身のまわりのこともできずに、旦那様がほとんどすべての家事を負担していたそうです。

働くことができず、家のローンの返済にも困るようになっていらっしゃいました。

障害年金について通院中の病院からの勧めもあった上でご相談に来られました。

2.経過

相談時には、現症の診断書を取得されていました。内容を確認させていただいたところ、旦那様よりヒアリングさせていただいた障害状態よりかなり障害状態が軽い内容が記載されていました。まずは、この診断書が適切に障害状態を記載しているのかを検証することにしました。

再度、ご本人様から日常生活状況について日本年金機構の定めるスケールに基づき、確認させていただきました。ご本人申立て内容は、現症の診断書内容とほぼ同じ程度の障害状態でした。しかし、旦那様から聞き取りしたところ、日常生活に著しい制限がありお二人の間に差異がありました。どちらのお話が実態に近いのかを検証しました。実際に起こった不都合なエピソード、奥様の社会不適合行動と両者のヒアリング内容から、旦那様からのヒアリング内容は整合性が取れ真実性が高いと判断しました。そして、奥様は、ぼーっとして交通事故を起こすなど危険回避能力も低く、ほとんど病気であるという認識がなく、自らの行動が、社会的不適応行動であるとの認識ない状態であることがわかりました。それがゆえに、奥様一人での受診では、医師に日常生活状態や制限を伝えらえていないこともわかりました。まず、医師に障害状態を伝えることを実行していただくように具体的なアドバイスを行いました。日常生活状態を医師にきちんと伝えていなければ正しい診断書を記載していただくことはできないからです。

すると、旦那様よりご連絡があり、働けず、病院に勧められて障害年金を希望し、(当センターへ)委託した。しかし、当センターは現状をヒアリング分析した結果、受給可能性が低いと言う。いったいどういうことだとお怒りでした。

ご本人は病識が欠けること、医師が日常生活状態を理解できておらず、年金機構の定める障害認定基準スケールに則った適正な診断書を作成できていないことをお伝えしました。受診されるときは旦那様も同行していただき日常生活状態についてきちんと医師へお伝えすることをお伝えし、納得していただきました。その矢先、旦那様よりご連絡があり今、ひとりで勝手に遠出し、戻れず警察に保護されているとの事。即日ご本人は入院されました。やがて、現在受診していると病院の他に、並行して複数の病院を受診していたことを突き止めました。当職にて、処方日、薬の種類、量など一覧表にまとめ、薬をオーバードーズ(大量服用)していたことを確認しました。

実際の日常生活制限を事故や自殺未遂、自傷行為などの社会不適合行為の証拠、オーバードーズ(薬の過剰摂取)の証拠など複数の証拠資料を添付し、医師に現症の診断書の障害状態の再確認を依頼しました。医師が事実を再確認することで、真実の障害状態をようやく理解していただくことができました。そして年金機構の定める障害認定基準のスケールに則った記載していただきました。ようやく真正な内容で年金請求の手続きをすることができました。

3.結果

厚生年金:事後重症請求 2級 年額¥1,585,204(配偶者加算あり)を受給できました。

4.ポイント

障害の状態を正確に医師に伝えること。

本人に病識がない場合は、家族や専門家の協力が必要です。

5.社労士 齋藤の視点

障害年金は、病気や怪我による障害が、日常生活や労働に制限を与えていることを申請者自身が証明しなければなりません。下記のような場合は障害状態の証明が困難です。

障害を持たれているご本人様に病気であるという認識がない(つまり自殺未遂やオーバードーズなどが病気が原因であることが理解できていない)精神遅滞で認知能力が低い。病気の特性として見当識障害がある。病気であることを受け入れられない、受け入れたくない

このようなケースでは、受診時にほとんど障害状態が医師に伝えられていませんから、診断書自体が全く間違った内容でできてくるのです。診療録(カルテ)を見てもほとんど障害状態に関する情報が入っていません。このことから、医師が病気の特性、治療経過、症状だけで年金機構の障害認定基準スケールで障害状態を正確に記載することができないと考えていいでしょう。ある精神科医が、「主治医だからって、患者の事をなんでもわかるわけじゃないよ。特に障害年金の診断書なんて通常の診察だけで書けるわけないよ。どんな生活しているかなんてわからないよ。」と言っていました。当たり前です、医師はスーパーマンではありません。本人がこのような状態であるなら、ご家族の協力が不可欠です。医師に伝える努力が必要です。障害をお持ちのご本人様だけででなく、ご家族様、職場の上司、同僚、友人、支援施設、福祉施設などご協力を得ながら間接証拠を収集してゆきます。

しかし今回のケースのように、証拠を複数収集し、間接証拠による事実推認できるレベルまでもっていくことができる場合は優秀な医師であれば対応できるかと思います。間接証拠しかないような場合は、法律的な証明手法を知らない、そもそも理解する意志がないドクターの場合は、「障害状態の証明」が困難となります。伝える努力と、耳を傾けることができる優秀な医師との出会いが必要です。

優秀な医師はどこにいるのか?私たちは、常に良い病院を紹介してくださいと相談を受けます。残念ながら私達が自信をもって紹介できる優秀な医師はまだ限られています。医師個人の問題というより、医者の村社会で職業生活をはじめ、医者村で育ってきているので一般社会の常識やマナーを知らない医師が多い。というのが正しいように感じます。「期限を守る、嘘はつかない、責任を取る。相手を尊重する。」といった常識が通じないことは医者村をはじめとした、医療機関全体の問題であるかと思います。 

今年H30年8月に岐阜市の「Y&M 藤掛第一病院」で高齢の入院患者5人が相次いで死亡した問題。病院院長は、患者が熱中症で死亡したことについて全く謝罪せずに、責任がない釈明だけでした。残念です。

しかしあきらめないでください、まだまだ優れた医師、医療機関は沢山あるはず。どんどん発掘してゆきたい。私たちは、医療機関情報をHPで公開してゆきます。合理的に、判断できる指標として5段階評価で各医療機関の点数を公表してゆくものです。皆さんが良い医師、優れた医療機関と出会える手助けとなるように頑張ってゆきます。

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