広汎性発達障害で障害基礎年金2級を受給できたケース

新潟市・30代・女性

1.相談に来られた状況

60代の母と30代娘さんのお二人で、娘さんの障害年金について相談にいらっしゃいました。

中学・高校は進学したものの友人と上手くコミュニケーションがとれずに半分以上通学できない状態で、20歳頃まで衝動的にリストカットをする事が続いていたそうです。
お母様以外の家族とはうまく関係が作れなかったそうです。

夜は悪夢を見てうなされるために昼夜逆転の生活が続き、人の声や音に敏感で外出が困難な状態だったそうです。
しかし、興味のある事柄に対する集中力は有り、何時間でも没頭するような極端な生活をしていたそうです。10年以上通院しているのに、悪くなる一方で、家族で一緒に住める状況ではなかったため、お二人で別居されたそうです。無収入の状態のため、障害年金を受給したいと相談に来られました。

2.経過

障害年金の申請を考え、医療機関のケースワーカーさんの協力で、すでに障害年金の診断書や申立書など申請に必要な書類を一式お持ちの状態で相談にいらっしゃいました。

しかし「障害年金は、一度不支給となってしまうと覆すことがほとんどできない事」を知り不安になったそうです。

診断書の内容確認をしてほしいとの依頼でしたので、当センターで家族皆様にこれまでのエピソードを細かく伺った上で診断書を精査いたしました。診断書には、「年金法で定める、障害状態を確認するために必要な記載」がほとんどありませんでした。日常生活の状況についてもご家族の感じていらっしゃる事実とは異なる内容が記載されていました。

「医師に、きちんと日常生活の障害を話していますか?」と質問すると。10年以上通院しているけれど、医者は「調子はどうですか?」としか聞かないので「ふつうです、あんまり変わりません」としか答えていなかったそうです。医師は忙しそうで、診察時間はだいたい5分しかないので、聞かれない事まで言える雰囲気ではなかったそうです。

やはり短い診察時間内で、日常生活や障害状態について、伝えきれていなかったようです。
当センタが障害年金申請代理となり、医療機関に作成依頼を行い、他の申請書類もすべて再作成し、申請をいたしました。

  • 3.結果

    障害基礎年金2級、約78万円を受給する事が決定しました。

    4.社労士 齋藤の視点

    障害年金は「申請主義」です。「申請主義」というのは「障害のある方がご自分で、申請し、障害がある事などを証明する事」で障害年金が受給できます。

    その反対が「職権主義」です。
    つまり障害者が障害状態等を証明しなくとも、
    「国が調査して、障害年金の受給要件を満たしているかどうかを判定し、給付してくれる事」
    を言います。

    障害年金の必要な申請書類は「時間と労力」をかければ比較的簡単に集めることができます。
    しかし、障害年金は「申請主義」=「証明責任は、障害者本人にある。」のです。

    申請するだけでは受給できないのが現実です。

    今回のように、ケースワーカーさんに手伝ってもらって作成した診断書、申請書類は残念ながら、障害者の障害状態を正確には表していなかった。
    つまり、障害状態等を証明できない内容で申請することになっていた訳です。障害年金受給率が非常に低い理由は単純ではありません。

    ・医療機関の問題と患者さんの問題
    ・ケースワーカーの問題
    ・社労士の問題

    本来は、国民年金法や厚生年金法を知らない医師が、障害年金用の診断書を書くこと自体に無理があると思います。障害年金用の診断書なのに、「障害」については記載がほとんどなく、「病気、治療」についてしか記載されていない診断書が出来上がってくるのです。

    患者側も障害がありコミュニケーションが困難な事は理解できますが、伝える努力が必要になります。

    病院のケースワーカー・相談員さんについては、「障害年金のお手伝い」が仕事になっていますが、これは法令違反です。法令違反である事すら知らないケースワーカーの方々がお手伝いしている事を考えると怖くなってきます。
    不支給になった場合、損害賠償請求や法令違反に対してきちんとした補償を患者などに行う体制ができているのか?本当に心配になってしまいます。

    国民年金法、厚生年金法は、各々最低600時間以上勉強しないと十分には理解できない法律です。専門家の社労士でも難しいと感じる分野なのです。
    ですから新潟障害年金相談センターには、他の社労士先生からご紹介・依頼される案件が相当数あります。

    こういった「障害者の周辺」の諸事情も、障害年金が不支給となるケースが多く発生する一因であると考えています。

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